登場人物の数だけ異なる真実が存在する――。
是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二氏がタッグを組んだ映画『怪物』は、一つの事件を多角的な視点で切り取ることで、人間の心の奥底に潜む不条理を浮き彫りにした傑作サスペンスです。
カンヌ国際映画祭で脚本賞に輝いた本作の重厚な空気感を、実際の撮影現場で追体験してみませんか。
どこかノスタルジックな雰囲気を残す旧瀬沢トンネルや、厳かな空気が漂う手長神社など、スクリーンに映し出された地を実際に歩くことで、作品への理解がより一層深まるはずです。
今回は、主に長野県内で敢行された主要なロケ地を詳しくご紹介します。
映画の余韻に浸りながら、物語の舞台となった美しい景色を巡る旅に出かけましょう。
映画『怪物』の作品概要と撮影地が話題を呼ぶ背景

本作は、広大な湖を臨む地方都市を舞台に、学校で起きた小さなトラブルをめぐって、親・教師・子どもそれぞれの主張が複雑にすれ違っていく人間ドラマです。
激しい嵐が街を襲う日、突如として行方をくらました少年たちを捜索する過程で、観客はそれぞれの視点に隠された衝撃の真実に直面することになります。
美しくもどこか神秘的な諏訪湖の周辺をベースに、何が本当で誰が「怪物」なのかを観る者に問いかける構造が秀逸な本作。
ロケ地としては、長野県の諏訪湖をはじめ、見晴らしの素晴らしい立石公園、厳かな佇まいの手長神社などが重要な拠点として使用されました。
穏やかな大自然を背景に展開されるからこそ、人間のエゴや葛藤を描いたシリアスなストーリーがより一層際立ちます。
劇中で効果的に映し出される諏訪湖の美しい水面は、観る人の心に深い印象を残します。

映画『怪物』の主要ロケ地・撮影舞台一覧
それでは、作中の名シーンが撮影された具体的なロケーションを1つずつ紐解いていきましょう。
| 登場したシーン | ロケ地・施設名 | 都道府県・国名 |
|---|---|---|
| 秘密基地 | 旧瀬沢トンネル | 長野県 |
| 下校 | 手長神社 | 長野県 |
| 遊具 | 立石公園 | 長野県 |
| 学校 | 旧城北小学校 | 長野県 |
| 診察 | 諏訪赤十字病院 | 長野県 |
| 街中 | 藤森ビル | 長野県 |
映画ならではの独特の空気感が、現実の風景の中でどのように形作られていたのか興味深いところです。
現地のロケーション情報や具体的な移動ルートに加え、撮影時の裏話なども交えながら詳しく解説していきます!
パソ先生作中に出てくるあの独特の景観、すごく印象に残っているんだよね。



緑に囲まれた静かな場所が多くて、訪れるだけで心が洗われそう!


各撮影スポットの詳細と見どころ解説
本作のロケ地は、大半が長野県諏訪市とその周辺エリアに集中しています。
子どもたちが通う学校や何気ない市街地、見晴らしの良い公園など、物語の軸となる場所の多くが諏訪の街並みの中で撮影されました。
①:長野県|旧瀬沢トンネル


劇中では、二人の少年が誰にも邪魔されない「秘密の隠れ家」として通う、極めて重要な役割を持つファンタジックな空間として描かれました。
暗いトンネルや錆びついた線路の風景は、湊と依理が周囲の環境から離れ、自分たちの本当の気持ちに向き合うためのサンクチュアリのようにも見えます。
周囲の静けさと差し込む光の美しさが、二人の無垢な関係性を象徴するような、映画の核を感じられる名スポットです。
この場所へ行くにはJR「富士見駅」から徒歩約25分です。
途中から山道になるため動きやすい服装と虫対策をしていきましょう。
車では、中央道「諏訪南IC」から約20分です。



少年たちだけで共有する特別な空間の描写、本当に胸が締め付けられるほど素敵だったな。



誰しもが持っていた、幼い頃の冒険心をくすぐられるロケーションだよね。
| 名称 | 旧瀬沢トンネル〜旧立場川橋梁跡 |
| 所在地 | 長野県諏訪郡富士見町落合11968付近 |
| 営業時間(時期・状況により変動する場合あり) | 24h |
| 料金(時期・状況により変動する場合あり) | 無料 |
| 予約の要否 | 不要 |
| アクセス・駐車場 | なし |
| 作品ゆかりの展示 | なし |
| 公式サイト | なし |
| 地図 | https://maps.app.goo.gl/UhxBxxd98HxH6HLZ7 |
②:長野県|手長神社


神聖な鳥居とどこまでも続くような石段が、子どもたちの下校風景に独特の緊張感と静寂をもたらしていた場所です。
石段を一段ずつ上り下りする中で、二人の絶妙な距離感や内に秘めた複雑な感情がじんわりと滲み出る名シーンとなりました。
特別な場所ではなく、ごくありふれた街の日常風景だからこそリアリティがあり、今も現地には映画の空気感がそのまま息づいています。
この場所に行くには、JR「上諏訪駅」から徒歩10分ほどです。
車では、「諏訪IC」「岡谷IC」から15分ほどで着きます。



あの二人が並んで歩く帰り道のカット、素朴だけどすごく心に残る名場面だよね。



画面から伝わってきたあの静かな空気感が、今でもはっきりと思い出せるな。
| 名称 | 手長神社 |
| 所在地 | 長野県諏訪市上諏訪茶臼山9556 |
| 営業時間(時期・状況により変動する場合あり) | 24h |
| 料金(時期・状況により変動する場合あり) | 参拝無料 |
| 予約の要否 | 不要 |
| アクセス・駐車場 | 駐車場なし (諏訪赤十字病院の駐車場が徒歩圏内) JR「上諏訪駅」から徒歩約10分 「諏訪IC」「岡谷IC」から約15分 |
| 作品ゆかりの展示 | なし |
| 公式サイト | https://www.lcv.ne.jp/~tenaga/ |
| 地図 | https://www.google.com/maps/place/手長神社%E3%80%80諏訪/data=!4m2!3m1!1s0x601c544b44918f11:0xe66ebc2cc746f56d?sa=X&ved=1t:155783&hl=ja-jp&ictx=111 |


③:長野県|立石公園


立石公園は、長野県諏訪市上諏訪にある公園で、園内からは諏訪湖や周辺の山々が一望できる高台にあります。
主人公たちが言葉を交わすシーンの背景として非常に印象的で、眼下に広がる諏訪湖の大パノラマを堪能できる場所でもあります(なお、設置されている遊具は撮影当時から変更されています)。
劇中で切り取られるカラフルな遊具や開放的な景観は、少年期特有の自由奔放さや、これから先の不確かな未来を暗喩しているかのようです。
二人が無邪気に遊ぶ姿を通して、その内面の変化や結びつきの深まりを表現する上で、なくてはならない重要な舞台となりました。
この場所へ行くにはJR「上諏訪駅」から徒歩30分ほどです。
車では、「諏訪IC」「岡谷IC」から車で約10分ほどです。



何気ない遊具の上で交わされる二人のやり取り、繊細なニュアンスが詰まっていて大好き。



湖を見下ろすあの抜群のロケーションが、切ないドラマ性をより引き立てていたよね。
| 名称 | 立石公園 |
| 所在地 | 長野県諏訪市大字上諏訪10399 |
| 営業時間(時期・状況により変動する場合あり) | 24h |
| 料金(時期・状況により変動する場合あり) | 無料 |
| 予約の要否 | 不要 |
| アクセス・駐車場 | あり 25台 JR「上諏訪駅」から徒歩約30分 『諏訪IC」「岡谷IC」から約10分 |
| 作品ゆかりの展示 | なし |
| 公式サイト | https://www.suwakanko.jp/spot/detail/?id=941 |
| 地図 | https://maps.app.goo.gl/QHqt8thAJ8S7sJNc9 |
④:長野県|藤森ビル


劇中で永山瑛太さんが演じた保利先生が暮らすアパートが入っている、実在の雑居ビルです。
ストーリーの引き金となる夜間の火災シーンとして登場する建物で、実際の映像では特殊効果(CG)を組み合わせて演出されました。
地方都市のありのままの夜の空気感が漂っており、作品全体のリアルなトーンを支える印象的なスポットとなっています。
この場所に行くにはJR「上諏訪駅」から徒歩3分ほどです。
車では、「諏訪IC」「岡谷IC」から約10分ほどです。



冒頭のあの火事のシーン、あまりの臨場感に圧倒されちゃった。



本物のビルが火に包まれているようにしか見えないくらい、視覚効果の技術が凄かったよね。
| 名称 | 藤森ビル |
| 所在地 | 長野県諏訪市諏訪1−13付近 |
| 営業時間(時期・状況により変動する場合あり) | なし |
| 料金(時期・状況により変動する場合あり) | なし |
| 予約の要否 | 不要 |
| アクセス・駐車場 | 駅周辺のコインパーキング JR「上諏訪駅」より徒歩約3分 「諏訪IC」「岡谷IC」から約10分 |
| 作品ゆかりの展示 | なし |
| 公式サイト | なし |
| 地図 | https://maps.app.goo.gl/E3J9vU3k9inGzXsd8 |


⑤:長野県|諏訪赤十字病院


諏訪赤十字病院は、長野県諏訪市にある病院で地域医療の中心となる総合病院です。
外観が使用されました。
作中において、主人公の湊が身体の検査に訪れる医療機関のシーンでその外観が使用されました。
無機質な建物の佇まいやロビーの風景は、登場人物たちが抱く焦燥感や不穏な予感を際立たせ、それぞれの本心や疑惑が交錯するきっかけの場として描かれています。
この場所に行くには、JR「上諏訪駅」から徒歩で15分ほどです。
車では、「諏訪IC」「岡谷IC」から約15分ほどです。



診察や待ち時間の描写は、登場人物たちの不安が伝わってくるようで、観ているこちらも息が詰まりそうだった。



物語が不穏な方向へ転がっていく予兆を感じさせる、ハラハラする場面だったな。
| 名称 | 諏訪赤十字病院 |
| 所在地 | 長野県諏訪市湖岸通り5−11−50 |
| 営業時間(時期・状況により変動する場合あり) | 医療機関のため外観のみ自由 |
| 料金(時期・状況により変動する場合あり) | なし |
| 予約の要否 | 不要 |
| アクセス・駐車場 | あり(病院利用者向け時間貸し) 492台 JR「上諏訪駅より徒歩約15分 「諏訪IC」「岡谷IC」より約15分 |
| 作品ゆかりの展示 | なし |
| 公式サイト | https://www.suwa.jrc.or.jp |
| 地図 | https://www.google.com/maps/place/諏訪赤十字病院/data=!4m2!3m1!1s0x0:0xaab2f23b642d6c45?sa=X&ved=1t:2428&hl=ja-jp&ictx=111 |
⑥:長野県|旧城北小学校


旧城北小学校は、長野県諏訪市にある廃小学校です。
物語の前半から中盤にかけて、幾度となくスクリーンに登場する教育現場の舞台です。
普段の授業や行事の様子、そしてある疑惑を巡って学校側と保護者の間で泥沼の対立が始まっていくプロセスなど、登場人物たちの思惑やズレが、この閉ざされた学び舎の中で浮き彫りにされていきます。
この場所へは、JR「上諏訪駅」より徒歩20分ほどです。
車では「諏訪IC」「岡谷IC」より30分ほどです。



事件の発端から大人たちの保身に至るまで、生々しい人間模様がこの校舎の中で繰り広げられていたね。



さまざまな視点が交錯する映画だからこそ、この学校の空間が持つ意味が視点ごとにガラリと変わるのが印象的だったな。
| 名称 | 旧城北小学校 |
| 所在地 | 長野県諏訪市大和3−22−1 |
| 営業時間(時期・状況により変動する場合あり) | なし |
| 料金(時期・状況により変動する場合あり) | なし |
| 予約の要否 | 不要 |
| アクセス・駐車場 | 駐車場なし |
| 作品ゆかりの展示 | なし |
| 公式サイト | なし |
| 地図 | https://maps.app.goo.gl/NbEVjSeoNF3GwTXE6 |


聖地巡礼の前にチェック!映画『怪物』撮影場所の見学可否と注意点
事前の確認ポイントとして、一般の立ち入りが歓迎されているオープンスペースと、防犯や安全上の理由から見学が制限されているエリアに分かれています。
出かける前に、各自治体のアナウンスや現地の注意看板を必ず確認するようにしましょう。
具体的には以下の2つのパターンに分けられます。
・一般公開されているロケ地
・立ち入り禁止・非公開エリアの注意点
それぞれの注意点を詳しく掘り下げていきます。
一般公開されているロケ地
一般公開の代表例は、観光施設として運営されている場所です。
例えば、「手長神社」は参拝時間が明記され、予約不要の案内もあります。
- 「手長神社」は参拝時間・入館料などが明記されています。
- 「立石公園」も営業時間が公式サイトで公開されています。
訪問前に最新情報の確認が必要です。
立ち入り禁止・非公開エリアの注意点
ロケ地でも、通常は立入できない場所があります。
旧瀬沢トンネルは、立ち入り禁止区域があり、危険箇所が多いため外観のみ鑑賞が推奨されています。
藤森ビルは私有地のため、立ち入りが禁止されているので外観の鑑賞のみに留めましょう。
諏訪赤十字病院も普段は医療機関になるため利用者以外の立ち入りは控えましょう。
旧城北小学校はロケ地として使用されていますが、普段は廃校としてあるため、外観を楽しむ程度にしましょう。
また、映画「怪物」は撮影用セットが解体済みの可能性もあるため、現地で同じ景観を見られない場合があります。


映画『怪物』のロケ地巡りを効率よく満喫するコツ
聖地巡礼をスムーズに楽しむためには、移動のタイムロスをできるだけ少なくするようなルート構築が鍵となります。
おすすめの巡礼ルート例
全て長野県内ですが、山道等あるため半日〜1日程度が現実的です。
「手長神社」と「立石公園」は、どちらも公開情報が揃い、観光しやすい構成です。
- 上諏訪駅中心ルート(徒歩推奨):手長神社・立石公園・諏訪赤十字病院・藤森ビル
- 自然&トンネルルート(車推奨):立石公園・旧城北小学校・旧瀬沢トンネル
- 周辺観光&ロケ地満喫ルート:手長神社・立石公園・諏訪湖畔散策・旧瀬沢トンネル
<注意点について記載>
旧瀬沢トンネルは立ち入り禁止区間が設定されているため、場所には気をつけましょう。
写真撮影に適した時間帯
撮影の基本は、人が少ない時間帯と光が柔らかい時間帯です。
屋外は午前の早めが歩きやすく逆光も避けやすいです。
夕方や日か沈む時間帯もとても綺麗な写真が撮れそうですね。
瀬沢トンネルなどは山の中にあるため、陽が暮れ始める前には駅前に戻っておくようにしましょう。
訪問日当日には、公式サイトを確認し行っても問題ないかの確認を再度しましょう。


映画『怪物』の撮影地に関するよくある質問
- 質問①移動手段は?
- 質問②ロケ地は全て日本?
- 質問③CGと実写ロケの割合は?
- 質問④同じ場所が複数シーンで使われている?
- 質問⑤続編は?
①移動手段は?
徒歩推奨
結論から言うと、徒歩での移動が推奨されます。
駅から近くほぼ徒歩圏内ということと、山の中など車での移動に適していない箇所があるためです。
もし車での移動をしたい場合には、駅前のコインパーキングを利用したり、タクシーを使うなどしましょう。
②ロケ地はすべて日本?
はい
ロケ地は全て日本の長野県です。
映画の舞台となっているのは諏訪湖周辺ののどかな場所がメインとなっています。
豊かな自然の中で繰り広げられるヒューマンサスペンスには、見どころがたくさんありますよね。
③CGと実写ロケの割合は?
ほぼ実写
割合の数値は公式発表されていません。
・・・が、実際に映画を観るとわかるかもしれませんがほとんどが実写だと思われます。
CGを使った場面は火事のシーンのみのようなのでほとんどが実写での撮影だと思って良いでしょう。
④同じ場所が複数シーンで使われている?
はい
瀬沢トンネルや学校、手長神社など複数の場所が複数シーンで使われています。
子どもたちの様子やそれぞれの大人たちの心情など、同じ場所によっても演じる人たちの手によって全く別の場所に感じられる箇所がたくさんありますよね。
それもこの映画の見どころの一つだと思います!
⑤今後の続編は?
今の所発表はありません
現時点で公式な続編の制作は発表されていません。
映画「怪物」とても良かったですよね。
続編が出るかどうかまだわかりませんが、続編が出たらまた一緒に楽しみましょう!


映画「怪物」のロケ地に対するSNSの声
<作品名>のロケ地に対するSNSの声をご紹介します。




ここまで映画『怪物』の舞台となった主要な撮影スポットを巡ってきましたが、ネット上でも数多くのファンが諏訪の地を訪れ、作品の深い余韻に浸っている様子が伺えました。



劇中のあの独特な雰囲気を自分の肌で感じてみたくなる場所ばかりだね!



スケジュールを調整して、さっそく旅の計画を立ててみようかな。
長野ならではの豊かな大自然と、どこかノスタルジックな街並みが融合した、非常に見応えのあるエリアです。
ぜひ次の週末は、散策に適した服装や靴を準備して、映画の記憶をたどる特別な聖地巡礼に出かけてみてください!











